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永目 諭一郎; Zhao, Y.*; 西中 一朗; 後藤 真一*; 加治 大哉*; 谷川 勝至*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 羽場 宏光; 阪間 稔*; et al.
Radiochimica Acta, 89(11-12), p.681 - 688, 2002/02
被引用回数:3 パーセンタイル:27.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)核分裂における対称、非対称質量分割という二つの分裂モードに対応する質量分布並びに運動エネルギー分布を広範なアクチノイド領域のデータをもとに系統的に議論する。これをもとに重アクチノイド核領域で特異な現象として観測されているbimodal fission過程を二つの分裂モード解釈できることを示す。
大槻 勤*; 永目 諭一郎; 中原 弘道*
Heavy Elem. Relat. Phenom., 1, p.507 - 535, 1998/00
アクチノイドの低エネルギー核分裂に関する最近の研究成果をレビューする。特に対称質量分割ならびに非対称質量分割へと至る2種類の異なる変形経路-二重モード核分裂-の実験的検証について詳しく述べる。また広範なアクチノイド領域を対象にした系統的研究をもとに、核分裂障壁と核分裂核の中性子殻構造の相関について議論する。さらに軽アクチノイド及び重アクチノイド領域での二つの核分裂モードの関連について新たな知見を得たので報告する。
西中 一朗; 永目 諭一郎; 塚田 和明; 池添 博; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; 大槻 勤*
Physical Review C, 56(2), p.891 - 899, 1997/08
被引用回数:20 パーセンタイル:72.02(Physics, Nuclear)核反応O,O+Biにおいて、クーロン障壁近傍の照射エネルギーで中性子欠損プロトアクチニウム核種(Pa,Pa)を生成し、それからの核分裂における核分裂片の飛行時間、運動エネルギー、質量分布、元素分布をインビーム実験と放射化法実験で測定した。これらの反応系での核分裂は、主に対称な質量分割であるが、非対称な質量分割が全体の約10パーセントの割合で存在することを新たに確認した。そして、対称な質量分割と非対称な質量分割の収率の比と、その励起エネルギー依存性から、非対称な質量分割の核分裂障壁が、対称な質量分割の核分裂障壁より、1MeV程度小さいことを統計模型計算を用いて導き出した。さらに中性子過剰プロトアクチニウム核種の実験値(文献値)との比較から、対称、非対称な質分割に対応する核分裂障壁が、分裂核の中性子数による核構造に強く依存していることが明らかになった。
塚田 和明; 篠原 伸夫; 西中 一朗; 市川 進一; 永目 諭一郎; 末木 啓介*; 小林 貴之*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; 大槻 勤*
Radiochimica Acta, 76(4), p.173 - 180, 1997/00
ThおよびPuの陽子誘起核分裂によって生成する希土類元素領域の励起関数と質量分布を入射エネルギー9~16MeVの範囲で測定した。対象とした領域は主に核分裂の際の分裂比が1:2程度までで半減期10分以上の核種であり、全核分裂片から自動制御されたイオン交換分離装置で迅速に分離し定量にした。Puの実験系では測定できたどの質量領域においても同様な励起関数が得られたが、Thの実験系においては典型的な非対称質量分割で生成する領域(質量数140程度)と高い非対称質量分割で生成する領域(質量数150以上)で異なる傾向を持つ励起関数が得られた。Thの実験系におけるこの高い非対称性をもった領域は、中性子数50の閉殻が関与すると考えられる軽い分裂片の対になる領域であり、この励起関数にこのような閉殻の影響が反映されたと考えられる。
大槻 勤*; 中原 弘道*; 永目 諭一郎
Physical Review C, 48(4), p.1667 - 1676, 1993/10
被引用回数:28 パーセンタイル:82.57(Physics, Nuclear)種々のアクチノイド核をターゲットとした陽子誘起核分裂における分裂片の励起関数と質量収率曲線を求めた。統計モデルに基づく励起関数の解析から対称及び非対称質量分割に対する核分裂障壁値を各々の核分裂核(A)について求めた。これらの値はAの質量数が増加すると減少し、また両者の差はAの中性子数の関数として系統的に変化していることが明らかになった。
永目 諭一郎; 池添 博; 大槻 勤*
Physical Review C, 47(4), p.1586 - 1594, 1993/04
被引用回数:12 パーセンタイル:61.18(Physics, Nuclear)Cl+Zn及びO+Y重イオン核反応を用いて、複合核Agを合成し、その対称質量分割過程を調べた。対称質量分割生成物の質量、角度ならびに運動エネルギーの測定は飛行時間法を用いて行なった。観測した生成物の特徴は、質量数の大きい領域で得られてる核分裂生成物のそれとよく一致していた。また統計模型に基づく断面積の計算も実験値をよく再現しており、この質量領域における核分裂の存在を示した。一方、通常の液滴模型では解釈できないような幅広い質量、運動エネルギー分布を観測した。これは反応に関与する高い角運動量に伴なう動的効果の影響を示唆していると考えられる。
永目 諭一郎; 池添 博; 大槻 勤*; 横山 明彦*; 初川 雄一; 馬場 澄子*; 畑 健太郎; 関根 俊明; 井出野 一実
Physics Letters B, 249(1), p.13 - 17, 1990/10
被引用回数:3 パーセンタイル:26.7(Astronomy & Astrophysics)中重核領域における重イオン核反応系、Cl+Zn及びO+Y反応で生成する対称質量分割生成物の質量、角度、運動エネルギー分布を、飛行時間法を用いて測定した。観測された対称質量分割生成物の特徴は、質量数の大きい領域で得られている核分裂生成物のそれとよく一致しており、中重核領域での核分裂の可能性を示す結果が得られた。また、質量及び運動エネルギー分布に、液滴模型では解釈できないような、巾広の現象が観測された。これは反応に関与する高い角運動量に伴う動的効果の影響を示唆している。